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■生餌(なまえさ) ―単独での利用が減ってきたエサ

 現在生餌(なまえさ)を単独で利用することは、ほとんどなくなり、モイストペレット(※エサの種類。次ページに詳細説明)の原料として利用されます。
生餌として利用されている魚の種類は、漁獲量の多い、イワシ類(マイワシ、カタクチイワシ)、サバ類、スケトウダラ、サンマ、アジ類等です。
【写真】
生餌となる冷凍された魚を運んでいる
【写真】
生餌は魚の口に合うように小さく切ってある
 魚類養殖では従来はこうしたイワシやサバといった魚を生のまま与えていました。しかし保管中に品質悪化が起こり、エサに伴う病気も発生します。出来る限る鮮度を保つために獲れた魚をすぐさま冷凍することが考えられ、現在も生餌は冷凍保管された物が使用されています。
【参考】エサとして利用される魚の漁獲量(平成20年)
サバ類
51万トン
サンマ
36万トン
カタクチイワシ
35万トン
マアジ
17万トン
スケトウダラ
21万トン
マイワシ
4万トン

■エサとなる魚の漁獲量 ―エサとなるのは一度に沢山獲れる魚
 エサとなる魚は漁獲量に周期があり(20年周期という説もあります)、漁獲量の変動が大きな魚です。
 例えば、今は4万トン(平成20年)と少なくなってしまったマイワシの漁獲量推移は次のとおりです。
マイワシ
参考サバ類
マイワシ
参考サバ類
昭和63年
449
65
平成11年
35
38
平成 1年
410
53
平成13年
18
38
平成 3年
301
26
平成15年
33
平成 5年
171
66
平成17年
62
平成 7年
66
47
平成19年
46
平成 9年
28
85
平成20年
51
※単位:万トン 
 一方主要な32漁港の水揚量について用途別に調査をしたデータがあります。
マイワシ(平成20年32漁港の水揚げ量は1.5万トン)
生鮮食用向け
43%
缶詰・練り製品・すり身・加工向け
43%
養殖又は漁業用餌料向け
14%
魚油・飼肥料向け
0.1%
サバ類(同41万1千トン)
生鮮食用向け
22%
缶詰・練り製品・すり身・加工向け 
47%
養殖又は漁業用餌料向け 
29%
魚油・飼肥料向け
2%
 このように、一度に沢山獲れる魚(多獲性魚類と呼ばれています)、しかも鮮度の悪くなるスピードが速い魚では急速凍結して養魚用のエサとして利用される割合が高くなっています。
 そもそも魚類養殖が瀬戸内海で始まり普及した要因の一つに、近くの海でエサとなる魚が十分あったことがあげられます。(ただし戦時中の食糧難の時は食用に回り養殖が中止されています。)
【一口メモ】
 お正月のおせち料理に「たつくり」があります。別名「ごまめ」。小さい鰯(いわし)を材料にした料理ですが、漢字では「田作り」。
 昔は沢山獲れたイワシは肥料に利用されていたことがうかがえます。
 

■生餌(なまえさ)の問題点 ―お魚の食べ残し、ちりも積もれば・・・。

 冷凍した生餌をミンチやぶつ切りにして与える問題点としては、魚がエサを食べるときにかみ砕いたりすると微細な肉片や肉汁、また内臓が海水中に流出することです。
少しの流失、すなわち漁場が持っている自浄能力以下の流失や残餌であれば、近辺に住む小魚やエビ類等のエサになったり、藻類や貝類の栄養源となってリサイクルされ素晴らしい生産性の高い海となります。 しかし、流失量・残餌量が海の自浄能力以上になると、海は次第に富栄養化して赤潮や病原菌繁殖の絶好の場となってしまいますし、海底にはヘドロが貯まってしまいます。

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